tan-1の入出力特性を持った発振器の解析

鈴木 敬三  滑川 敏彦  

誌名
電子情報通信学会論文誌 A   Vol.J54-A   No.9   pp.522-529
発行日: 1971/09/25
Online ISSN: 
DOI: 
Print ISSN: 0373-6091
論文種別: 論文・資料
専門分野: 
キーワード: 


本文: PDF(584.2KB)>>
論文を購入




あらまし: 
真空管やトランジスタを使った発振器の解析は,従来はおもに能動素子の入出力特性の非線形特性を三次で近似して得られるVan der Polの微分方程式を用いて発振のふるまいを説明することが多かった.しかしそれでは大振幅動作の説明は不十分なので,入出力特性をtan-1で近似して発振器を考察する.一つの常微分方程式から各種の発振器,振動などを作ることができる.硬い発振器の一例として良く知られているプッシュプル形の発振器を漸近法を用いて解析した結果,安定なリミットサイクルと不安定なリミットサイクルが見つかり,硬い発振器の一例であることがわかった.そしてプッシュプル回路特有のクロスオーバひずみを利用すると3安定のマルチバイブレータを作ることができる.一例について位相面で考察を行なった.高い周波数で動作させる発振器の能動素子の位相遅れのある場合あるいは遅延線を発振ループ中に含む場合について,漸近法を用いて振幅と発振周波数の第1近似解と発振条件が求まった.そして第1近似解の中に周波数の離調項を含むので安定な発振周波数を望むときにはできるだけそれらの影響の少ない素子を使うことが望ましいことがわかった.