感情画像刺激提示下の脳波アルファ帯域実効電圧のスケーリング係数の応答

富永 滋  吉田 久  中迫 昇  岩城 達也  

誌名
電子情報通信学会論文誌 D   Vol.J102-D   No.5   pp.399-410
発行日: 2019/05/01
Online ISSN: 1881-0225
DOI: 10.14923/transinfj.2018JDP7050
論文種別: 論文
専門分野: 生体工学
キーワード: 
脳波,  スケーリング係数,  快不快,  覚醒,  アーチファクト,  

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あらまし: 
脳波の α 波が心理状態を反映し,そのスペクトルのべき特性の指標であるスケーリング係数は,高値で安静,低値で覚醒を示唆することが知られる.本研究では,スケーリング係数による感情推定の可能性を探るため,予備実験により感情情報を含む聴覚刺激に対するスケーリング係数の応答を確認し,本実験にて感情画像刺激に対するスケーリング係数の応答,及び心理指標との関係について検討した.α 帯域実効電圧からのスケーリング係数推定に連続ウェーブレット変換を用いることで,トレンド除去ゆらぎ解析,ペリオドグラム法に比べ,スケーリング係数推定における偏差を改善した.国際感情画像システムの感情画像刺激に応答し,スケーリング係数は不快/高覚醒,快/高覚醒,快/低覚醒の順に低値を示し,不快/高覚醒〜快/低覚醒間に有意差が認められた.主観評価との対照により,スケーリング係数の大きさと,高快適,低覚醒との関係が示唆された.感情画像刺激に対し α パワーも一定の応答を示したが,安静時のスケーリング係数は,α パワーと異なり,開眼,閉眼でほぼ同値を示したことから,相互に独立した指標であると考えられた.