GPUを用いたブロックチェーンのフルノードにおける取引検索の高速化

森島 信  松谷 宏紀  

誌名
電子情報通信学会論文誌 D   Vol.J102-D   No.5   pp.378-389
発行日: 2019/05/01
Online ISSN: 1881-0225
DOI: 10.14923/transinfj.2018JDP7043
論文種別: 論文
専門分野: 計算機システム
キーワード: 
ブロックチェーン,  キーバリューストア,  GPU,  

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あらまし: 
ブロックチェーンは,ビットコイン等の暗号通貨システムとして用いられているP2Pネットワーク上の分散台帳システムである.ブロックチェーンのP2Pネットワークは,ネットワーク上の全ての取引情報を管理,検証するフルノードによって維持されている.しかし,フルノードの運用は,携帯端末等を用いる利用者にとっては負荷が大きく,大半の利用者はフルノードを立てるのではなく,既存のフルノードを介して間接的にブロックチェーンを利用している.そのため,多数の利用者による残高,取引内容,取引履歴等の確認といったブロックチェーンの検索クエリがフルノードに集中する.ブロックチェーンの利用者数に比してフルノードの数は圧倒的に少ないため,フルノードに対する検索クエリがブロックチェーンのボトルネックとなり得る.そこで,本論文ではブロックチェーン検索クエリをGPUを用いて高速化する手法を提案する.具体的には,更新や削除クエリが行われないというブロックチェーンの特徴を活かしつつ,GPU処理に適した基数木の配列を検索に使用する.加えて,全ての検索キーがGPUデバイスメモリに格納できない場合を想定し,CPU処理とGPU処理を組み合わせる手法を提案する.評価では,提案手法と既存のキーバリューストアの検索手法をGPU,CPUそれぞれで行った場合を比較評価するため,ブロックチェーンのキー検索スループットをそれぞれの手法で評価した.その結果,キー数80 × 220でキー長256bitのとき,GPUのみを用いる提案手法は既存のGPUを用いた手法の3.4倍,CPUを用いた手法の5.6倍のスループットを達成した.