健常者のエポック間脈波数変動量を使用した睡眠中覚醒反応の検出精度について

藤江 建朗  田川 統基  中村 英夫  海本 浩一  

誌名
電子情報通信学会論文誌 D   Vol.J102-D   No.3   pp.194-202
発行日: 2019/03/01
Online ISSN: 1881-0225
DOI: 10.14923/transinfj.2018PDP0011
論文種別: 特集論文 (学生論文特集)
専門分野: 生体工学
キーワード: 
エポック間脈波数変動量,  睡眠中覚醒反応,  睡眠ポリグラフ検査,  

本文: PDF(1.3MB)
>>論文を購入


あらまし: 
本研究の目的は,30秒ごとに区分けしたエポックの脈波数から脈波数変動量(pulse rate variation : PRV)を算出し,睡眠中覚醒反応の検出精度について検討することとする.睡眠状態を客観的に評価する方法として睡眠ポリグラフ(polysomnography : PSG)検査がある.PSG検査は,入院を必要とし多数の電極を装着するため患者や検査者への負担が大きく気軽に検査をすることは困難であり,簡易に行えるスクリーニング法が望まれている.本研究は,健常者20名にPSG検査を行い視察にて覚醒反応と睡眠段階を判定し,PRVでの覚醒反応推定結果とを比較した.ROC曲線下面積(AUC)とカットオフ値を求め,感度,特異度等により精度を示した.結果より,AUCは0.86 (95%CI, 0.85-0.87),カットオフ値は2.33であった.PRVのしきい値を2.33としたときの感度は0.80,特異度0.79であった.末梢動脈波数による覚醒反応検出に関する先行研究では,感度0.80,特異度0.79,AUC0.87と報告されており,本研究は同程度の精度と再現性を示した.結論として,脈波数変動量の算出のみで同程度の覚醒反応推定精度と推定の限界について一定の見解を示すことができた.このことから本研究の結果は,新たな製品開発に向けた基礎データを示すことができたと考える.