VOF法で表現された流体界面のニューラルネットワークによる曲率計算

笠 晃一  

誌名
電子情報通信学会論文誌 D   Vol.J102-D   No.2   pp.93-101
発行日: 2019/02/01
Online ISSN: 1881-0225
DOI: 10.14923/transinfj.2018JDP7046
論文種別: 論文
専門分野: バイオサイバネティックス,ニューロコンピューティング
キーワード: 
ニューラルネットワーク,  数値計算,  表面張力,  VOF法,  気液二相流,  

本文: PDF(880.9KB)
>>論文を購入


あらまし: 
流体と流体の界面で発生する表面張力の計算は流体力学でも困難な問題の一つとされている.それは表面張力の計算に流体界面における曲率の計算が不可欠で,曲率計算の精度を上げることが難しいからである.気液二相流を微小セルにおける液体の割合で表現するVOF法は数値流体力学の主流をなしているが,特にこの手法において低曲率から高曲率までを精度よく求めることは困難である.そこで本研究ではニューラルネットワークを用いて曲率計算を行うことを試みた.その結果,曲率が小さいときは他の手法よりも誤差が大きくなるものの,曲率が大きい場合は他の手法に比べ精度よく曲率が求められることが明らかになった.曲率が小さいほど表面張力も小さくなり,誤差の影響も小さくなるので,これは曲率計算にとって望ましい性質であると考えられる.実際,円形の静止液滴を用いた偽の流れの数値実験では,曲率の広範囲に渡って偽の流れが低く抑えられることが観測された.