バイアス性計測誤差推定を伴う距離和測位の解析

網嶋 武  鈴木 信弘  

誌名
電子情報通信学会論文誌 B   Vol.J102-B   No.2   pp.143-152
発行日: 2019/02/01
Online ISSN: 1881-0209
DOI: 10.14923/transcomj.2018JBP3030
論文種別: 論文
専門分野: 計測,探査
キーワード: 
測位,  到来時間和,  到来時間,  到来時間差,  

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あらまし: 
航空機測位や,衛星測位など,地上から送信した信号が目標に搭載されたトランスポンダを介して地上に再送信された信号を用いる場合,その計測値は,トランスポンダによるバイアス性の遅延誤差を伴う.また,GPSのように位置が既知の複数の送信源から受信した信号では,送受信間でバイアス性の時計誤差が存在する.しかしながら,測位方式単体での測位精度の観点から,どの方式が最も優れているか明らかでない.本論文では,バイアス性計測誤差を有する到来時間和測位(Biased time sum of arrival: BSTOA),及びその到来時間差(Biased time sum difference of arrival: BTSDOA)の測位誤差共分散行列及び測位値の同一性を示す.次に,これらの2方式は,バイアス性遅延計測誤差を有する到来時間測位(Biased time of arrival: BTOA)及びその到来時間差(Biased time difference of arrival: BTDOA)とも同一であることを示す.これらの結果より,4方式は全て同一であることを示す.本結果により,測位精度の観点での方式選択のトレードオフが不要となったと言える.更に,バイアス性遅延計測誤差を考慮しない従来の到来時間和測位(Time sum of arrival: TSOA)により,BTSOA計測値を処理した場合,その誤差共分散行列は,TSOA計測値を処理した場合のTSOA方式のそれと同一であるが,バイアス性の測位誤差を生じることを示す.本結果より,バイアス性遅延計測誤差が存在する場合,TSOA方式よりもBTSOA方式を用いるべきであると言える.