散乱線測定を導入したX線CTの再構成精度

長江 大地  戸田 尚宏  

誌名
電子情報通信学会論文誌 D   Vol.J101-D   No.8   pp.1200-1208
発行日: 2018/08/01
Online ISSN: 1881-0225
DOI: 10.14923/transinfj.2017JDP7093
論文種別: 論文
専門分野: 生体工学
キーワード: 
X線CT,  散乱線,  モンテカルロシミュレーション,  多次元の方向集合(Powell) 法,  最ゆう推定,  

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あらまし: 
X線CTの再構成において,散乱線は再構成像上にアーティファクトを発生させる要因とされている.そのため,散乱線成分を取り除くことを目的とする様々な除去機構や補正法などが提案,実装されている.しかし,物体の存在が無ければ散乱線は発生しないことを考えると,散乱線には物体に関する情報が含まれている.仮に,直接線とは独立な情報を散乱線が有しているならば,その利用により対象物密度の推定精度向上が期待できる.更に,同程度の再構成画質を得る状況下においては,被ばく線量を低減できる可能性を秘めている.しかしながら,これまでに直接線に加えて散乱線を用いて再構成を行う方法やその精度に関して検証する研究はほとんどなされていない.新たな再構成手法を構築するために,本論文では直接線に加えて散乱線を測定することによって,再構成精度が向上する例の存在を示すことを目的とした.そこで,X線CTの構造を可能な限り保存した簡略化モデル体系上において,モンテカルロシミュレーションを用いた数値実験により,直接線のみを用いて再構成を行う従来法と直接線と散乱線の両方を用いる提案法の再構成精度を比較検証した.