Bayes factorを用いたRAIアルゴリズムによる大規模ベイジアンネットワーク学習

名取 和樹  宇都 雅輝  植野 真臣  

誌名
電子情報通信学会論文誌 D   Vol.J101-D   No.5   pp.754-768
発行日: 2018/05/01
Online ISSN: 1881-0225
DOI: 10.14923/transinfj.2017JDP7089
論文種別: 論文
専門分野: 人工知能,データマイニング
キーワード: 
ベイジアンネットワーク,  確率的グラフィカルモデル,  構造学習,  条件付き独立性検定,  

本文: PDF(743.6KB)
>>論文を購入


あらまし: 
漸近一致性をもつベイジアンネットワークの構造学習はNP困難である.これまで動的計画法やA*探索,整数計画法による探索アルゴリズムが開発されてきたが,未だに60ノード程度の構造学習を限界とし,大規模構造学習の実現のためには,全く異なるアプローチの開発が急務である.一方で因果モデルの研究分野では,条件付き独立性テスト(CIテスト)と方向付けによる画期的に計算量を削減した構造学習アプローチが提案されている.このアプローチは制約ベースアプローチと呼ばれ,RAIアルゴリズムが最も高精度な最先端学習法として知られている.しかしRAIアルゴリズムは,CIテストに仮説検定法または条件付き相互情報量を用いている.前者の精度は帰無仮説が正しい確率を表すp値とユーザが設定する有意水準に依存する.p値はデータ数の増加により小さい値を取り,誤って帰無仮説を棄却してしまう問題が知られている.一方で,後者の精度はしきい値の設定に強く影響する.したがって,漸近的に真の構造を学習できる保証がない.本論文では,漸近一致性を有するBayes factorを用いたCIテストをRAIアルゴリズムに組み込む.これにより,数百ノードをもつ大規模構造学習を実現する.数種類のベンチマークネットワークを用いたシミュレーション実験により,本手法の有意性を示す.