2次元情報を伝える触覚/力覚誘導提示方式の開発と評価―力覚誘導条件が空間位置認知に与える影響―

坂井 忠裕  半田 拓也  清水 俊宏  
(システム開発論文)

誌名
電子情報通信学会論文誌 D   Vol.J101-D   No.3   pp.628-639
発行日: 2018/03/01
Online ISSN: 1881-0225
DOI: 10.14923/transinfj.2017JDP7075
論文種別: 論文
専門分野: 福祉工学
キーワード: 
視覚障がい者,  触覚ディスプレイ,  局所振動提示,  力覚誘導,  触覚/力覚誘導提示,  空間認知,  

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あらまし: 
筆者らは,視覚に障がいのある人が触覚ディスプレイに表示される図やグラフなどの2次元情報を迅速かつ正確に理解できることを目指した提示方式を提案している.提示方式は,従来の触覚ディスプレイによる凹凸の提示に加え局所的に振動ができる局所振動提示と機械的に指を牽引して図の内容を伝える力覚誘導提示の二つの異なる提示法を有し,それらを複合した触覚/力覚誘導提示方式(Prop-Tactile display)である.本論文では,二つの提示法と開発した触覚/力覚誘導提示方式の概要を述べるとともに,力覚誘導提示にフォーカスし,力覚誘導の提示条件が空間位置の認知に与える影響を客観的に評価した実験について論述する.実験では,複数のオブジェクトを誘導後に空間位置を再生する課題を与え,再生誤差により空間認知への影響を評価した.力覚誘導の誘導条件には,オブジェクト間の誘導速度とオブジェクトで滞留する時間に関係するオブジェクト内誘導速度を要因に設定した.実験結果において,再生誤差は,誘導距離とともに増大する傾向があるが減少する位置があること,オブジェクト間の誘導速度が大きい条件ではオブジェクト上の滞留時間を長くすることで改善されること,誘導速度において極小となる範囲が存在する可能性があることなどがわかった.これらの知見により,力覚誘導でコンテンツを伝達する場合の適切な誘導条件の指針を得た.