定常状態視覚誘発電位と瞳孔計測を用いた知覚交替情報の抽出に関する研究

佐藤 文昭  鈴木 雄太  中内 茂樹  南 哲人  

誌名
電子情報通信学会論文誌 D   Vol.J101-D   No.3   pp.607-614
発行日: 2018/03/01
Online ISSN: 1881-0225
DOI: 10.14923/transinfj.2017PDP0038
論文種別: 特集論文 (学生論文特集)
専門分野: バイオサイバネティックス,ニューロコンピューティング
キーワード: 
知覚交替,  定常状態視覚誘発電位,  瞳孔計測法,  RDK刺激,  注意,  

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あらまし: 
本研究では,知覚交替を引き起こす要因となる情報を抽出することを目的とし,研究を行った.Parkkonenら(2008)は,知覚交替前後において,脳波成分である定常状態視覚誘発電位(SSVEP)の振幅に有意な差が見られることを示した.この結果より,知覚交替に注意が関係していることを示唆した.また,Einhauserら(2008)は,知覚交替時に瞳孔が散瞳することから瞳孔と知覚交替が関係することを示した.しかし,瞳孔の散瞳前にSSVEPで示されたような注意状態の切り替わりが生じるかどうかについては示されていない.そこで,SSVEPによる注意状態の推定と瞳孔径の関係を明らかにするため,本研究では,輝度が異なる,明滅するドット群で構成される回転球体刺激を用いて左右回転方向の知覚交替時におけるSSVEPと瞳孔径の同時計測を行った.その結果,左右回転知覚時のSSVEP振幅に有意な差が見られ,瞳孔においても注意対象の切り替わりとみられる瞳孔径変化が知覚交替前に見られた.その後,知覚交替に起因すると考えられる瞳孔径の散瞳が生じていた.これらより,注意の変更がトリガとなり知覚交替が生じている可能性が示された.