マルチパラメトリックアレースピーカを用いた音像ホログラムの構築

小森 慎也  大上 佳範  中山 雅人  西浦 敬信  

誌名
電子情報通信学会論文誌 D   Vol.J101-D   No.3   pp.578-587
発行日: 2018/03/01
Online ISSN: 1881-0225
DOI: 10.14923/transinfj.2017PDP0007
論文種別: 特集論文 (学生論文特集)
専門分野: 音声,聴覚
キーワード: 
3次元音像,  Multi-PAL,  音像ホログラム,  放射特性,  仮想音源,  

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あらまし: 
近年,立体的な映像オブジェクトを自由空間に投影可能な映像技術の発展に伴い,空間上の任意位置に音像を構築可能な音響再生方式が必要とされている.しかし,従来の方式では原音場の計測や部屋全体を囲うような大規模なスピーカシステムが必要であるため,複数人が受聴可能な広い空間において空中に立体的な音像(3次元音像)を構築することは極めて困難であった.ここで,一般的に音波は音源位置から放射状に伝播し,受聴者は部屋の反射や残響などを手掛かりにその音源の位置を知覚する.そこで,本論文ではこの音波の放射特性に着目し,マルチパラメトリックアレースピーカ(Multiple Parametric Array Loudspeaker: Multi-PAL)を用いた音像ホログラムに基づく3次元音像の提示手法を提案する.音像ホログラムは,円弧状に配置したMulti-PALを用いて,空間上の任意位置から音波が放射されるような放射特性を形成することで,3次元的な仮想音源を構築し,その仮想音源と残響を受聴することで,被験者に3次元音像を知覚させるシステムである.提案手法は無響室のような特別な音響設備を必要とせず,マイクロホンによる音場空間の計測も不要であるため,複数人が体験可能な3次元音像を容易に実現できる.評価実験の結果,提案手法を用いることで3次元音像の知覚が可能であることを確認した.