話速変換会話における遅れ時間の可視化とその効果

斎藤 博人  熊谷 功介  徳永 弘子  武川 直樹  

誌名
電子情報通信学会論文誌 D   Vol.J101-D   No.2   pp.348-358
発行日: 2018/02/01
Online ISSN: 1881-0225
論文種別: 特集論文 (ヒューマンコミュニケーション〜伸縮自在のコミュニケーション〜論文特集)
専門分野: ヒューマンコミュニケーション基礎
キーワード: 
話速変換,  順番交替,  可視化,  3人会話,  

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あらまし: 
音声を時間伸縮する技術である話速変換は,聞き取りを支援する聴取補助技術の一つとして利用されている.本研究は,話速変換を用いる複数人会話において,音声遅延に起因して生じる順番交替のしにくさを軽減するインタフェースの設計を目的とする.そのため,話速変換システムに,音声の時間伸長によって生じた遅延量を画面上に配置したメータによって可視化し,遅れ時間を全参与者が把握できるインタフェースを構築した.インタフェース評価のため3人会話を実験的に実施したところ,システムによって物理的に延伸した再生時間である「残余発話聴取時間(RUP:residual utterance listening period)」の可視化が平均反応潜時を有意に短縮することが明らかとなった.これにより,音声遅延がある会話環境において,「残余発話聴取時間」を視覚で提示する手法が,円滑な順番交替を可能にし,会話のしやすさに寄与することを示唆した.