波長選択性をもつ有機光導電膜の特性改善―イメージセンサへの応用に向けて―

堺 俊克  高木 友望  堀 洋祐  清水 貴央  大竹 浩  相原 聡  

誌名
電子情報通信学会論文誌 C   Vol.J101-C   No.9   pp.352-361
公開日: 2018/08/09
Online ISSN: 1881-0217
DOI: 
論文種別: 招待論文
専門分野: 有機エレクトロニクス
キーワード: 
有機光導電膜,  イメージセンサ,  TFT,  積層,  波長選択性,  

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あらまし: 
我々は,赤(R),緑(G),青(B)の各色のみを選択的に吸収し光電変換するような,波長選択性をもつ有機光導電膜(有機膜)を用いて,カメラの小型化と高感度化の両立が可能な新しいイメージセンサ「有機撮像デバイス」の研究を進めている.この有機撮像デバイスでは,入射光の色分離に従来のカラーフィルタではなく,波長選択性をもつ有機膜を積層した構造を用いることで,カラーフィルタによる光の損失のない高効率なデバイスが実現できる.本論文では,有機撮像デバイスの実現に向けて重要な課題の一つである,R,G,B各色用有機膜の特性改善を行った.その結果,片側の電極にAlを用いたテスト素子において,RGB全ての有機膜で外部量子効率70%を超える高効率化や暗電流の低減に成功した.更に,透明電極の形成手法や有機材料の見直しにより,G用有機膜の上下両側を透明電極で挟んだ構造でピーク量子効率82%,暗電流170 pA/cm2 を実現し,積層イメージセンサに適した高性能な波長選択性有機膜を得ることができた.