分散性のある複素比誘電率の最適化による広帯域な電波吸収体の実現

石井 佑佳  道下 尚文  森下 久  佐藤 勇気  泉井 一浩  西脇 眞二  

誌名
電子情報通信学会論文誌 B   Vol.J101-B   No.9   pp.749-758
発行日: 2018/09/01
Online ISSN: 1881-0209
DOI: 10.14923/transcomj.2018APP0006
論文種別: 特集論文 (次世代無線技術のためのアンテナ・伝搬及び関連システムの論文特集)
専門分野: 
キーワード: 
電波吸収体,  広帯域特性,  遺伝的アルゴリズム,  クラスタ分析,  設計最適化,  

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あらまし: 
近年,広帯域特性,斜入射特性,両偏波特性等,使用用途に応じて様々な特性を有する電波吸収体(Radar Absorbent Material: RAM)が開発されている.本論文では,多目的遺伝的アルゴリズムのNSGA-II (Non-dominated sorting genetic algorithm-II)を用いて,2層平板型RAMの広帯域特性及びその周波数帯域幅の最小値となる最小周波数の低周波化を同時に考慮した電気材料定数最適化の設計手法を提案する.このとき,電波吸収量の指標を99%の吸収率に相当する20 dBとし,これを満たす周波数の広帯域化及び低周波化を行った.その結果,最適化手法に加えてクラスタ分析手法を用いることで,低周波数帯域から広帯域な範囲で20 dB以上の電波吸収量を満たすには,比誘電率の周波数分散を考慮する必要があることが明らかとなった.そこで,複素比誘電率の周波数分散を考慮して最適化を行うことで,2層平板型RAMは比帯域幅158%の広帯域特性,最小周波数1.78 GHzの低周波化が得られることを確認した.また,本設計手法を用いることにより,所望の周波数範囲で最大限に広帯域特性を有するRAMの設計が可能になり,RAMの厚さの上限値を増加させることで,所望の最小周波数が得られることを確認した.