MIMOを用いた秘密情報伝送における独立成分分析による盗聴の対策

桐野 悟至  笹岡 秀一  岩井 誠人  

誌名
電子情報通信学会論文誌 B   Vol.J101-B   No.9   pp.717-728
発行日: 2018/09/01
Online ISSN: 1881-0209
DOI: 10.14923/transcomj.2018APP0010
論文種別: 特集論文 (次世代無線技術のためのアンテナ・伝搬及び関連システムの論文特集)
専門分野: 
キーワード: 
秘密情報伝送,  MIMO,  ICA,  摂動ベクトル,  拡大信号点,  

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あらまし: 
MIMOを用いた秘密情報伝送において,チャネル情報やプリコーティング情報が未知である場合,一般に信号分離は困難である.しかし,信号のガウス性が高くない場合,独立成分分析によるブラインド信号分離が可能であることが示されている.そこで独立成分分析を用いた盗聴を防ぐため,信号のガウス性を高める対策が検討されている.本論文ではMIMO E-SDM方式において,信号のガウス性を高める一つの手法として,多値QAM信号に摂動ベクトル信号を重畳し信号点拡大を行う方式を提案する.提案方式では,拡大信号点発生確率を複素ガウス分布に近づけるように調整することで,盗聴局での独立成分分析を用いた信号分離を困難なものとする.また,送信側で重畳された摂動ベクトル信号は受信側でmodulo演算を用いることで容易に除去することが可能である.計算機シミュレーションで提案方式の評価を行った結果,盗聴局のBER特性が大幅に劣化し,十分な秘密保持容量が得られることがわかった.