屋外イベントなどを想定した人群観測システムの開発と実証実験・評価

新井 敬太  山本 寛  山崎 克之  
(システム開発・ソフトウェア開発論文)

誌名
電子情報通信学会論文誌 B   Vol.J101-B   No.2   pp.80-89
発行日: 2018/02/01
Online ISSN: 1881-0209
DOI: 10.14923/transcomj.2017GTP0006
論文種別: 特集論文 (通信技術の進歩に寄与する学生論文特集)
専門分野: インターネット
キーワード: 
人群観測,  センサネットワーク,  センサデータマイニング,  ドップラーセンサ,  MQTT,  

本文: FreePDF(2.6MB)


あらまし: 
大規模会場におけるイベント運営の際には,来場者人数の管理が重要となる.このようなデータはイベント内容の改善に役に立つだけではなく,イベントを安全に運営するためにも利用可能である.一方,近年ではドップラーセンサなどの接近離反が検知可能なセンサが安価で利用可能である.そこで本研究では,大規模なイベント会場の運営者が使用可能な,ドップラーセンサを使用した人群観測システムを提案する.混雑状況の測定を行うために,人数だけではなくその場での滞在時間を含む量である人群量を定義する.また,人群量とドップラーセンサの測定値をゴンペルツ曲線で近似することで,センサー値から人群量を計算可能であることを示す.実証実験のため,国営越後丘陵公園のイルミネーションイベントとコスモスとバラをメインにしたイベントにおける人群観測を行った.イルミネーションイベントの解析データに対してEMアルゴリズムによってフィッティングを行い最繁時刻と混雑時間と最大人群量の三つの特徴量を抽出した.最繁時刻と混雑時間は日によってほとんど結果は変わらなかったが,最大人群量は日によって大きく異なることが分かった.この最大人群量は最低気温と負の相関があり,気温がより低い日ほど集客が見込めるということが分かった.また,コスモス・バラ祭りイベントにおいては,天候データなどとの相関は見られなかったものの,イベント後に人群量の減少が見られ,イベント効果を確認することができた.