無線LANのアクセスポイントにおけるスループット保証を目指したTCP受信ウィンドウ制御方式

寺岡 良章  小畑 博靖  高野 知佐  石田 賢治  

誌名
電子情報通信学会論文誌 B   Vol.J101-B   No.2   pp.70-79
発行日: 2018/02/01
Online ISSN: 1881-0209
論文種別: 特集論文 (通信技術の進歩に寄与する学生論文特集)
専門分野: ネットワーク
キーワード: 
スループット保証制御,  無線LAN,  TCP,  アクセスポイント,  

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あらまし: 
移動情報端末の普及により,無線LAN上でストリーミング技術を用いたアプリケーションの利用が増加している.これらのアプリケーションでは,双方向通信を利用する場合があるため,無線端末からアクセスポイント方向の上り方向の通信も増加傾向にある.また,ストリーミング通信はある一定の帯域(スループット)を必要とする.これまで,無線LAN環境において,一定のスループットの確保を目指した,アクセスポイント(AP)におけるTCPの受信ウィンドウ制御が提案されている.しかし,APにおけるこの受信ウィンドウ制御はある程度スループットを保証可能なものの,帯域保証を目指したTCP(以降,QoS-TCPと呼ぶ)の利用を前提としており,QoS-TCPが利用できない場合には十分なスループットを保証できない.そこで本研究では,特定端末へのTCPスループット保証を目指したAPによるTCPの受信ウィンドウ制御を提案する.また,提案方式では,特定のスループットを要求する優先フローが必要なスループットを達成した後,直ちに背景フローに対する制御強度を減少することで,無線LANシステム全体のスループット低下の回避を目指す.シミュレーション評価の結果,提案方式は従来方式よりも目標スループットを獲得可能なことを確認した.また,動的に目標スループットが変動する場合においても提案方式が有効なことが分かった.