Bell多項式を用いた帯域通過最大平たんFIR分数階微分器

國井 良介  相川 直幸  

誌名
電子情報通信学会論文誌 A   Vol.J101-A   No.9   pp.229-235
発行日: 2018/09/01
Online ISSN: 1881-0195
DOI: 
論文種別: 論文
専門分野: ディジタル信号処理
キーワード: 
分数階微分器,  FIRフィルタ,  最大平たん,  帯域通過,  Bell多項式,  

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あらまし: 
1階微分器とは,離散信号の時間/空間1階微分を計算するディジタル信号処理システムであり,医用生体工学や画像工学などの様々なアプリケーションで用いられている.一般に,1階微分器は高周波ノイズを増幅してしまうため,この微分器において高い微分精度を得るためには,高周波ノイズを抑制するように帯域制限する必要がある.帯域制限を考慮したFIR 1階微分器の設計法が提案されている.更に,所望する周波数帯域が既知であれば,通過域リプルがない平たん基準による設計が,微分した後の信号の歪が小さいため有用である.近年,微分器の階数を1階から分数階に一般化した分数階微分器が様々なアプリケーションで用いられており,優れた働きを示している.帯域制限を考慮したFIR分数階微分器においても,平たん基準により設計される特性は有用であるが,その設計法は提案されていない.そこで本論文では,帯域通過最大平たんFIR分数階微分器の閉じた伝達関数を提案する.この伝達関数は,互いに複素共役な係数をもつ二つの関数からなっている.また,提案する伝達関数は,Bell多項式に基づいて設計可能である.最後に設計例によって,本方法の有効性を示す.