携帯電話機操作中の把持状態に基づくユーザ認証方式

磯 俊樹  

誌名
電子情報通信学会論文誌 D   Vol.J100-D   No.11   pp.926-937
発行日: 2017/11/01
Online ISSN: 1881-0225
論文種別: 論文
専門分野: パターン認識
キーワード: 
圧力センサ,  把持状態,  個人特徴,  カルマンフィルタ,  常時認証,  

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あらまし: 
認証のための特別な動作を必要とせず,携帯電話機操作中の把持状態に基づいて個人認証するための方式を提案する.提案方式は,把持データをカルマンフィルタで学習した結果から算出される把持状態の出現確率分布を認証のための特徴量として用いる.そして,実際に観測された把持データが把持状態の出現確率分布にどの程度当てはまるかを評価することで本人か否かを判定する.携帯電話機の構造的な制約により,面状の圧力センサを搭載することは難しいため,端末の側面と底面にライン状圧力センサを搭載した携帯電話機のプロトタイプを構築し,メール閲覧時のスクロール操作における把持データに基づき提案方式の認証精度を評価した.短時間の把持データを60秒間蓄積したデータをカルマンフィルタで学習して得られる把持状態の出現確率分布を用いたところ,30秒間蓄積した観測(検証)データに対してFAR-FRRの等価エラー率(EER)が約10[%]以下の精度で個人認証することができた.更に,比較実験により,時空間的な把持状態を用いる提案手法が,空間的な把持状態を用いる手法よりも認証精度が高いことと,面状の圧力センサを用いたログイン認証方式や他の個人特徴を用いた携帯端末の常時認証方式と同等の認証精度であることも確認した.