マイクロ波アシスト磁気記録においてFGL表層に印加されたスピントルク磁界が発振磁界に及ぼす影響

古賀 理樹  赤城 文子  吉田 和悦  

誌名
電子情報通信学会論文誌 C   Vol.J100-C   No.7   pp.286-294
公開日: 2017/06/07
Online ISSN: 1881-0217
論文種別: 招待論文
専門分野: 記録・記憶技術
キーワード: 
マイクロ波アシスト磁気記録,  スピントルク発振素子,  スピントルク磁界,  FGL Landau-Lifshitz-Gilbert方程式,  

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あらまし: 
近年,磁気ディスク装置の高記録密度化のために,磁界発生層(Field Generation Layer:FGL)とスピン注入層(Spin Injection Layer:SIL)から構成されるスピントルク発振素子(Spin Torque Oscillator:STO)を用いたマイクロ波アシスト磁気記録が研究されている.シミュレーションによるこれまでの研究では,SILからFGLへ注入される偏極スピンによるスピントルク磁界は,FGL全体に印加されると仮定してきた.しかし,反射のスピントルク効果によるスピントルク磁界は,FGLの界面近傍にしか印加されない可能性がある.既報告では,安定な発振磁界を得るためのスピントルク磁界は,FGLの膜厚方向の印加深さに反比例することがわかったが,物理的背景の解明には至っていない.本研究では,追加検討としてスピントルク磁界がFGL表層に印加された場合について,FGLの磁化と交換スティフネスの関係を明らかにするとともに,FGLとヘッド・媒体間の磁気的相互作用を考慮した場合において,安定な発振を得るための,スピントルク磁界,FGLのダンピング定数と異方性定数を検討した結果について示す.