正と負の屈折率粒子をランダムに配置したゼロ屈折率媒体

大坊 真洋  

誌名
電子情報通信学会論文誌 C   Vol.J100-C   No.7   pp.277-285
公開日: 2017/06/07
Online ISSN: 1881-0217
論文種別: 招待論文
専門分野: 電磁界理論
キーワード: 
負屈折率,  ゼロ屈折率,  波面制御,  FDTD,  

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あらまし: 
正と負の屈折率媒体セルを面積比率1:1でランダムに配置したゼロ屈折率媒体の性質をFDTDにより調べた.この媒体中では電界強度の分布がランダムになり,波面は完全に乱れるが,媒体の厚さが十分に厚ければ,媒体から出射される波面は,入射波の波面,入射面形状,媒体中の空隙のいずれの影響も受けず,常に出射面に平行であった.セルの大きさが波長の20分の1以下になると空間的に均一な媒体とみなすことができ,屈折率がゼロの性質である位相速度無限大,媒体の入射面と出射面での位相の接続が現れた.これらの性質は,光軸や焦点の調整が不要な集光器に利用することができる.混合比を変えることによって,屈折率を負から正まで調整することができるので,負の屈折率媒体の絶対値を正確に調整する必要がなくなる.また,正と負の屈折率媒体セルを規則的に層状に交互に配置したところ,層に直交する方向にゼロ屈折率の性質が現れ,異方性のあるゼロ屈折率媒体となった.この異方性媒体では,球面波を入射すると入射波面と同じ波面で出射面から放出される.また層を斜めに配置した場合は,横方向に伝搬方向がシフトする効果も現れた.