熱CVDグラフェンの基礎と転写フリーグラフェンMOSFETの電気特性評価

市川 和典  須田 善行  

誌名
電子情報通信学会論文誌 C   Vol.J100-C   No.5   pp.242-250
公開日: 2017/04/12
Online ISSN: 1881-0217
論文種別: 招待論文
専門分野: 電子材料
キーワード: 
グラフェン,  熱化学気相堆積法(熱CVD),  電界効果トランジスタ(MOSFET),  

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あらまし: 
GeimとNovoselovが2004年に高配向熱分解性グラファイト(HOPG)から機械的にグラフェンを剥離し,2010年にノーベル物理学賞を受賞した.グラフェンは高い移動度や機械的柔軟性の点でSiなどの既存の半導体材料を超える物性を有することから,次世代材料として注目されている材料の一つである.一般的にグラフェンをトランジスタなどの電子デバイスに応用する場合,SiO2/Siのような基板にグラフェンを転写する必要がある.しかし我々は,熱CVD後のNi触媒を調べることで転写せずともトランジスタとして動作することを見出した.本論文ではまず初めに,歴史,構造,物性,合成方法などの基本的なグラフェンに関する知識を紹介し,熱CVD法を用いて高品質なグラフェン合成のための様々な合成条件や,近年明らかとなってきた転写を行わないグラフェンMOSFETの電気特性評価について,著者の研究結果を中心に説明する.