距離和とドップラー和を観測値とするマルチスタティックレーダによる位置及び速度推定

小菅 義夫  古賀 禎  宮崎 裕己  呂 暁東  秋田 学  稲葉 敬之  

誌名
電子情報通信学会論文誌 B   Vol.J100-B   No.8   pp.558-568
発行日: 2017/08/01
Online ISSN: 1881-0209
論文種別: 論文
専門分野: 計測,探査
キーワード: 
マルチスタティックレーダ,  マルチスタティックソナー,  誤差解析,  距離和,  ドップラー和,  

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あらまし: 
送信局と複数の受信局からなるマルチスタティックレーダでは,送信局と目標間の距離と,受信局と目標間の距離の和が観測できる.距離和のみを観測し,目標の位置が推定可能となる必要十分条件は明らかになっている.角度を観測しないこの方式は,モノスタティックレーダと比べハードウェアを小型にできる.更に,距離和と同時に,送信局と目標間のドップラー(距離の変化率)と,受信局と目標間のドップラーの和を観測する方式が報告されている.本論文では,テイラー級数推定法において,距離和のみを観測し目標位置が推定可能となる条件と,距離和とドップラー和を複数同時に観測し位置及び速度が推定可能となる条件は同一であることを示す.したがって,ドップラー和を使用しても,推定可能条件に悪影響はない.また,ドップラー和を使用すれば,観測精度や送受信局の配置によらず,距離和のみ観測の場合の位置推定精度以上となることを示す.これらの結果,ドップラー和の使用が有効なことが分かる.ただし,ドップラー和を使用して位置推定精度を改善するには,最低4個の受信局が必要である.更に,位置及び速度推定誤差の分散の上界の算出式を示す.