ダウンリンクマルチユーザシステムにおけるユーザ間干渉を考慮した低演算量MIMOデコーダに関する検討

本行 礼奈  ラナンテ レオナルド ジュニア  尾知 博  

誌名
電子情報通信学会論文誌 B   Vol.J100-B   No.3   pp.261-269
発行日: 2017/03/01
Online ISSN: 1881-0209
論文種別: 論文
専門分野: 無線通信技術
キーワード: 
IEEE 802.11ac,  MU-MIMO,  MIMOデコーダ,  ユーザ間干渉,  CSIフィードバック遅延,  

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あらまし: 
高速無線Local Area Network(WLAN)規格IEEE 802.11acで採用されているMulti-user Multiple Input Multiple Output(MU-MIMO)システムは,同時刻・同周波数でAccess Point(AP)から複数のユーザへ信号を伝送することができる技術として注目されている.ダウンリンクMU-MIMOシステムでは,各ユーザからフィードバックされたチャネル状態情報(Channel State Information: CSI)をもとにAPがプリコーディング処理をすることで,ユーザ間干渉(Inter-user Interference: IUI)を除去している.しかし,CSIフィードバック遅延がある場合,正確なプリコーディング処理ができないためIUIが残る.システムの性能を上げるためには,各ユーザでIUIを考慮した信号推定をする必要がある.信号推定を行うMIMOデコーダの最ゆう推定法として,Maximum Likelihood Detection(MLD)法がある.MLD法には変調多値数や推定する信号数の増加に伴い,演算量が指数関数的に増加するという問題がある.本論文ではMU-MIMOシステムにおけるIUIを考慮したMLD法の演算量削減法を提案する.提案手法は,干渉信号の推定において演算量削減法の一つであるK-best法を適用することで,送信信号の候補を効率良く絞り込みながら信号推定を行う.計算機シミュレーションの結果,高次変調を適用する場合,提案手法はIUIを考慮したMLD法と同等の性能を維持しつつ,演算量を99% 削減できることを示す.