六次元運動モデルを使用したパルスドップラーレーダ用追尾フィルタの初期値

小菅 義夫  古賀 禎  宮崎 裕己  秋田 学  稲葉 敬之  

誌名
電子情報通信学会論文誌 B   Vol.J100-B   No.1   pp.21-29
発行日: 2017/01/01
Online ISSN: 1881-0209
DOI: 10.14923/transcomj.2016JBP3018
論文種別: 論文
専門分野: 航行・誘導・制御方式
キーワード: 
追尾フィルタ,  レーダ,  ドップラー,  最小自乗法,  初期値,  誤差解析,  

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あらまし: 
航空機等の移動物体の位置及び速度の真値を推定するパルスドップラーレーダ用追尾フィルタの初期値について述べる.この代表的な追尾法は,拡張カルマンフィルタを使用したものである.この場合,ドップラーを位置及び速度の予測値で線形近似した観測モデルを使用している.このため,従来の拡張カルマンフィルタを使用した追尾法には,初期値の算出手段がない.なお,三次元の速度ベクトルが観測できれば,これを追尾フィルタの速度の初期値とすればよい.しかし,ドップラーは,三次元速度ベクトルの一成分である.このため,従来は,2サンプリング目と1サンプリング目の観測位置の差をサンプリング間隔で除算した値を速度,2サンプリング目の観測位置を位置の初期値としていた.この従来法は,ドップラーの観測精度が極めてよい場合でも,ドップラーを初期値算出に反映できない.本論文では,予測値の不要なドップラー観測モデルを新たに使用し,2サンプリング分の位置及びドップラー観測値をもとに,重み付き最小自乗法により初期値を算出した.また,その有効性を確認するため,車載レーダを例に,提案方法による初期値の具体的計算結果を示した.