FPGAハードウェア・アクセラレーション向け日の丸高位合成ツール

渡邊 実  佐野 健太郎  高前田 伸也  三好 健文  中條 拓伯  
(システム開発・ソフトウェア開発論文)

誌名
電子情報通信学会論文誌 B   Vol.J100-B   No.1   pp.1-10
発行日: 2017/01/01
Online ISSN: 1881-0209
DOI: 10.14923/transcomj.2016JBI0002
論文種別: 招待論文
専門分野: 
キーワード: 
フィールド・プログラマブル・ゲートアレイ,  ハードウェア記述言語,  高位合成,  

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あらまし: 
近年,FPGAは家電製品,自動車,そして宇宙システムと幅広い用途に使用されている.しかし,2000年代前半まで,FPGAはASICと比較して性能が低く,試作,テスト,研究用途に用いられただけで,量産品に対してはコストあたりの性能に秀でたASICが多用されてきた.これが変わるのが2000年代後半であり,FPGAは最先端のプロセスが利用できる数少ない集積回路の一つとなり,高性能な製品を生み出す主役の座に躍り出た.その代表的なものの一つにFPGAを利用したハードウェア・アクセラレータがあり,その有効性については,MicrosoftがBing検索に用いるデータセンターに対してFPGAを用いたサーバーを開発したり,Intel社がXeonプロセッサにFPGAを実装する等,もはや疑う余地がなくなったと言える.そして今日,FPGAベンダーは開発に多大な工数を要したハードウェア記述言語(HDL)の代わりに,C++からFPGAへの回路実装が可能な汎用的な高位合成ツールの提供を開始している.このような皆高位合成ツール時代のFPGA開発において,各企業が他社との優位性を確保するためには,これら万人向けに作られた汎用高位合成ツールやベンダーから提供されるHDL開発環境等を活用するだけでなく,汎用ツールの弱点を補完でき,より高性能な製品をより少ない工数で開発できる特定用途向けのツール群が必要になる.本論文では既に広く有効性が認知された汎用的な高位合成ツールではなく,まだ認知度が低いが日本で独自に開発が進められる「日の丸」ツール群を紹介する.