ダブルトークとエコー経路の変化を識別して通話回路に挿入する減衰量を調整するハンズフリー通話システム用制御アルゴリズム

藤井 健作  澤田 拓也  吉岡 拓人  棟安 実治  

誌名
電子情報通信学会論文誌 A   Vol.J100-A   No.3   pp.142-150
発行日: 2017/03/01
Online ISSN: 1881-0195
論文種別: 論文
専門分野: 電気音響,音響一般
キーワード: 
音響エコーキャンセラ,  ハンズフリー通話システム,  減衰量制御,  エコー経路変化,  ダブルトーク,  

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あらまし: 
本論文では,ダブルトーク中にも発生するエコー経路の変化を検出し,その時点に限定して減衰量を挿入することでハンズフリー通話システムが構成する一巡閉路の利得を常時1未満に保つ制御法の一つを提案する.この一巡閉路の利得は一般に,スピーカとマイクロホンの間の音響結合を相殺するエコーキャンセラを導入することによって1未満に保たれる.しかし,この音響結合はシステムの運用中にも変化すると想定される.この変化は相殺効果を不足させ,ハウリングを発生させて通話の継続を困難にする可能性を高める.本制御法ではエコーを相殺する主適応フィルタと,係数更新の制御用として導入される副適応フィルタの両係数間の差を利用して,その変化を検出し,一巡閉路の利得を1未満に保つ減衰量を挿入する.このエコー経路変化時に限定した減衰量の挿入は,ダブルトーク時における同時通話性の確保とハウリングの発生防止を同時に実現する.本論文では,本検出法と減衰量制御法の有効性を最後に計算機シミュレーションによって確認する.