行列の二重対角化を用いた正則化法による悪条件問題の数値計算法

小澤 伸也  細田 陽介  相原 研輔  

誌名
電子情報通信学会論文誌 A   Vol.J100-A   No.1   pp.92-101
発行日: 2017/01/01
Online ISSN: 1881-0195
論文種別: 論文
専門分野: 数値計算,数理計画法
キーワード: 
悪条件線形方程式,  Tikhonovの正則化法,  特異値分解,  ピボット選択付QR分解,  行列の二重対角化,  

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あらまし: 
Tikhonovの正則化法は行列の特異値分解と併用することが一般的である.この方法は,悪条件線形方程式に対する有効な数値計算法である.しかし,特異値分解は計算量の多い方法であるため,大規模問題への適用は困難が伴うことになる.それに対して,ピボット選択付QR分解を用いた正則化法が提案された.この方法は高速ではあるが,Tikhonovの正則化法では必要が無かった三角行列の逆変換が必要であり,そのため,この三角行列が悪条件となると精度の良い解は期待できない.それに対して我々は,行列の二重対角化を用いた正則化法を提案する.本方法では,三角行列の代わりに上二重対角行列の逆変換が必要であるが,上二重対角行列の条件数は容易に評価でき,悪条件であっても,少ない計算量で条件数の向上を図ることも可能である.本論文では,その有効性を数値実験を用いて検証した.