人の共感的反応を誘発する状況に依存した人工物の振る舞い

熊崎 周作  竹内 勇剛  

誌名
電子情報通信学会論文誌 A   Vol.J100-A   No.1   pp.24-33
発行日: 2017/01/01
Online ISSN: 1881-0195
論文種別: 特集論文 (ヒューマンコミュニケーション〜ヒト・モノ・コトのつながりをデザインするコミュニケーション技術〜論文特集)
専門分野: 
キーワード: 
インタラクション,  共感,  模倣,  状況,  

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あらまし: 
人と人工物の間に社会的関係性を構築することはHuman-Agent Interaction研究において主要なテーマであり,その実現が期待されている.これまでに行われてきた多くの研究では人工物自身の振る舞いに感情表現を与えるアプローチが取られてきた.例えば表情やボディーランゲージと言ったものが挙げられる.しかし,これらを実現するためには人に似せた身体や内的状態のモデル化など,複雑なシステムが必要となる.そこで本研究では,人工物による模倣と人と人工物がおかれている状況に着目する.人は他者に模倣されることでその相手に好意的な印象を抱くことがある.また,人は相手の感情を相手がおかれている状況から推測することがある.これら二つのことから,人はその者が体験した状況において同じ感情状態を示しているように振る舞う人工物に対して強い共感的反応を示す,という仮説に基づき検証を試みた.その結果,ポジティブ・ニュートラル・ネガティブの三つの状況において,人工物が状況を考慮して人の振る舞いを増幅させた模倣を行うことで,人が人工物の内部状態を推測した結果に共感する可能性が示唆された.このことによって,人と人工物の間に社会的な関係性を構築し,両者が共存できる社会の実現への貢献が期待される.